このプロジェクトについて

 

このプロジェクトは、スウェン博江の陶芸の知識、技術、情熱を共有し、未来の陶芸家たちにインスピレーションを与えることを目的としている。

2020年半ばに、博江の親しい友人で著名な陶芸家であるポール・デイビスが、彼女の創作過程をビデオで記録してくれる人はいないだろうかと博江に尋ねたことから、その構想は生まれた。彼女はこのプロジェクトに取り組むことを決意し、プロジェクト・マネージャーとなる篠崎まゆみに声をかけた。

オーストラリア首都特別地域政府とニューサウスウェールズ州政府の文化活動援助基金により、このプロジェクトが可能になった。

12名のプロジェクトチームのメンバーたちが参加し、2年半の年月を経て、デジタルアーカイブが完成した。長い道のりだったが、博江の陶芸に対する情熱と真心が牽引力となり、無事、完成にこぎつけることができた。美術評論家、研究者、陶芸家、美術学芸員、アーキビスト、コミュニティ・グループ、陶芸関連団体、工芸協会、博江の支援者たちもさまざまな形で、このプロジェクトに協力した。

博江は多作なアーティストであり、つねに新しい表現を追求してきた。ほとんど全ての作品が手びねりで作られ、ひとつひとつの作品を「創作」するスウェン博江の作品の総数は天文学的な数字になるかもしれない。60年以上の陶芸歴を持ち、今なお新しい作風の作品を生み続ける彼女の作品をすべて網羅した目録を作成することは不可能である。しかし、オーストラリアの20ものアート・ギャラリーが、各館の所蔵作品の画像や情報を提供してくれたことにより、主要作品の多くを収めた作品目録を実現することができた。

このプロジェクトが、オーストラリアにおける陶芸家のデジタルアーカイブの一例となることを願っている。

 

 

 

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